CD8陽性T細胞の分化・機能におけるヒストン修飾の役割:ゲノムワイドな解析を含めた最新の知見

  • 荒木 靖人
    埼玉医科大学リウマチ膠原病科 ゲノム医学研究センタープロジェクト部門

書誌事項

タイトル別名
  • The role of histone modifications in differentiation and effector function of CD8 T cells: Update review including genome-wide analysis

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説明

CD8陽性T細胞の分化・機能がエピジェネティクス機構により制御を受けている事がChIP-Seq法などのゲノムワイドな解析などの進歩に伴い,次々と明らかにされてきた.CD8陽性T細胞は,遺伝子発現のプロファイルが変化することにより(プログラム通りに)ナイーブ細胞からメモリー細胞へと分化するが,この分化(プログラム)はエピジェネティクスの制御を受けている事が判明してきた.CD8陽性T細胞は抗原刺激を受けると活性化し,標的細胞に対してエフェクター機能を発揮するようになるが,これもまたエピジェネティクスの制御によりエフェクター分子の遺伝子転写が亢進する事による事もわかってきた.メモリーCD8陽性T細胞は抗原刺激に対して短時間で応答するが,その機序としてエフェクター遺伝子のクロマチン構造がユークロマチン(クロマチン構造が緩んだ状態)であり,エフェクター遺伝子転写が活性化の準備状態にあるためである事が示唆された.<br>

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