マウスおよびヒト粘膜組織におけるRORγt陽性自然リンパ球の意義

  • 澤 新一郎
    東京大学大学院医学系研究科 病因・病態学専攻 免疫学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Roles of RORγt+ Innate Lymphoid cells in mucosal tissues of mouse and human

この論文をさがす

抄録

  自然リンパ球は抗原受容体を持たず,迅速なサイトカイン産生性を持つリンパ球として近年概念が提唱されたリンパ球群であり,NK細胞,NH細胞,RORγt陽性細胞に分類される.マウス粘膜組織に存在するRORγt陽性自然リンパ球はCCR6+c-kithighIL-7Rαhigh細胞群と,CCR6NKp46+細胞群に大別される.前者はリンパ組織の形成機能を持ち,後者はIL-22を産生し,腸管上皮バリア機構の維持に寄与する.ヒト胎児の腸管,扁桃腺,リンパ節においても,NKp44陰性およびNKp44陰性陽性RORγt陽性自然リンパ球が存在する.また,クローン病患者腸管組織におけるRORγt陽性自然リンパ球の増加が確認されており,病態形成におけるRORγt陽性自然リンパ球機能が注目されている.<br>

収録刊行物

参考文献 (40)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ