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Abstract
腸管組織は常時外来異物の侵入が起こる場であるため,エフェクターT細胞による炎症応答は生体防御機構において重要な役割を担う.しかし,慢性的な炎症反応は炎症性腸疾患の発症原因ともなるため腸管内においては免疫応答を抑制するメカニズムが存在している.これまでに,免疫応答抑制機能に特化した制御性T細胞がエフェクターT細胞の過剰な活性化を抑制することで腸管組織の恒常性が維持されることが報告されている.<br> 腸管粘膜固有層には多種多様な自然免疫細胞集団が存在し獲得免疫系細胞の分化や機能獲得に関与することが報告されているが,エフェクターT細胞の増殖を直接制御する自然免疫細胞の存在に関する知見は乏しい.我々は,腸管粘膜固有層に存在するCX3CR1highCD11b+CD11c+制御性ミエロイド細胞(Mreg細胞)がCD4+ T細胞と極めて高い親和性で結合すること,さらにIL-10/Stat3シグナル依存的にCD80/86の発現を低下させることでT細胞の増殖を抑制することを明らかにした.また,ナイーブT細胞移入腸炎モデルマウスへのMreg細胞投与が腸炎発症を抑制すること,腸炎を自然発症するLysM-cre; Stat3flox/floxマウスへのMreg細胞投与が炎症症状の改善を誘導したことよりMreg細胞の機能不全が炎症性腸疾患の病態に関与することが示唆された.<br>
Journal
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- Japanese Journal of Clinical Immunology
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Japanese Journal of Clinical Immunology 35 (4), 315a-315a, 2012
The Japan Society for Clinical Immunology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653461376
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- NII Article ID
- 130003364021
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed