P2-03 IgG4関連疾患および近縁疾患における形質芽細胞を標的とした新規治療の開発

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抄録

<p>  【目的】IgG4関連疾患において形質芽細胞に関しての報告は少ない.形質芽細胞のフェノタイプ,分画を鑑別を要する近縁疾患であるSLE,シェーグレン症候群,後腹膜線維症,ANCA関連血管炎(AAV)と比較し,各疾患における特徴を検討し,疾患別の新規治療標的を探索する.【方法】患者由来B細胞をCD19, CD138, RP105の発現をもとに,形質芽細胞から形質細胞に至る5つのサブセットに分け,200種類以上のB細胞関連抗原の発現についてフローサイトメトリーを用いて解析した.【結果】IgG4-RD, SLE, SS, AAVではRP105陰性前形質芽細胞,形質芽細胞,後期形質芽細胞が正常と比較して増加し,同細胞比率は疾患活動性と相関した.同細胞比は,臓器障害数と相関した.IgG4-RDはSLEよりも,分画分布が,より早期の前形質芽細胞に偏っていた.CXCR5の発現は,SLEでは,早期に消失したが,IgG4-RDでは,後期形質芽細胞の段階まで発現が持続していた.BCMAの発現はSLEの形質芽細胞で増加がみられた.【結論】RP105陰性形質芽細胞は,自己免疫疾患における診断,活動性マーカーとして有用で,治療標的としても重要である.疾患に特異的な治療標的分子として,IgG4-RDではCXCR5-CXCL13ケモカイン経路が,SLEではBCMA/BAFF-R/TACI-BLyS/APRIL経路が示唆される.形質芽細胞は,自己免疫病態での治療標的として重要性が示唆されているが,原疾患の各病態に応じたB細胞標的の策定が重要である.</p>

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