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抄録
<p> 【目的】IgG4関連疾患において形質芽細胞に関しての報告は少ない.形質芽細胞のフェノタイプ,分画を鑑別を要する近縁疾患であるSLE,シェーグレン症候群,後腹膜線維症,ANCA関連血管炎(AAV)と比較し,各疾患における特徴を検討し,疾患別の新規治療標的を探索する.【方法】患者由来B細胞をCD19, CD138, RP105の発現をもとに,形質芽細胞から形質細胞に至る5つのサブセットに分け,200種類以上のB細胞関連抗原の発現についてフローサイトメトリーを用いて解析した.【結果】IgG4-RD, SLE, SS, AAVではRP105陰性前形質芽細胞,形質芽細胞,後期形質芽細胞が正常と比較して増加し,同細胞比率は疾患活動性と相関した.同細胞比は,臓器障害数と相関した.IgG4-RDはSLEよりも,分画分布が,より早期の前形質芽細胞に偏っていた.CXCR5の発現は,SLEでは,早期に消失したが,IgG4-RDでは,後期形質芽細胞の段階まで発現が持続していた.BCMAの発現はSLEの形質芽細胞で増加がみられた.【結論】RP105陰性形質芽細胞は,自己免疫疾患における診断,活動性マーカーとして有用で,治療標的としても重要である.疾患に特異的な治療標的分子として,IgG4-RDではCXCR5-CXCL13ケモカイン経路が,SLEではBCMA/BAFF-R/TACI-BLyS/APRIL経路が示唆される.形質芽細胞は,自己免疫病態での治療標的として重要性が示唆されているが,原疾患の各病態に応じたB細胞標的の策定が重要である.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 39 (4), 405a-405a, 2016
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653788928
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- NII論文ID
- 130005407772
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可