抄録
<p> 【症例】54歳,女性【主訴】全身の筋肉痛【現病歴】201X年6月に上腹部痛を認め,近医受診し胃薬で加療した.7月初旬から左下腿・上腕の痛みが出現し,次第に全身に及ぶ筋肉痛と両足関節・膝関節の痛みとなり疼痛制御目的に7月中旬入院した.全身の筋肉痛・関節痛以外に症状はなく,炎症反応も正常範囲内であった.線維筋痛症と考えプレガバリン内服で疼痛は軽減し7月末に退院した.8月1日より両眼の充血・疼痛が出現し両側ぶどう膜炎と診断された.8月末から腹痛と下痢,発熱が新たに出現しCT検査で全結腸の炎症所見を認めたため精査加療目的に再入院した.入院後,8月27日に施行した内視鏡検査で全大腸に渡って縦走潰瘍が多発し,生検組織から非乾酪性肉芽腫が確認されクローン病(CD)大腸型の診断に至った.ステロイド剤で加療し,腸管症状だけでなく全身の筋肉痛・関節痛およびぶどう膜炎の症状も消失し寛解した.【考察】炎症性腸疾患に線維筋痛症が合併することは稀にあるが,CDの典型症状より先行して線維筋痛症,ぶどう膜炎の症状が顕著に出る例は調べ得た限り報告例はなかった.炎症性腸疾患に伴う腸管外合併症は一般的に腸管の炎症活動度と相関して現れると考えられているが,本症例は消化器症状が出る前から腸管外症状としての繊維筋痛症様症状が顕著に出た非典型の臨床経過を呈した.時系列でみた臨床経過と診断過程,画像検査結果を加えて報告する.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 39 (4), 399b-399b, 2016
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653795328
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- NII論文ID
- 130005407790
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可