ダウン症児の触知覚弁別と視知覚弁別の実験的研究 : 刺激提示による弁別反応への効果

書誌事項

タイトル別名
  • AN EXPERIMENTAL STUDY OF TACTUAL AND VISUAL DISCRIMINATION IN CHILDREN WITH DOWN'S SYNDROME : THE VARIETY OF DISCRIMINATION RESPONSES EFFECTED BY DIFFERENT KIND OF STIMULUS PRESENTATION
  • ダウンショウジ ノ ショクチカク ベンベツ ト シチカク ベンベツ ノ ジッケ

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説明

本研究は、ダウン症児の同じ知覚様相における弁別が、提示のし方との関連で、触知覚と視知覚について検討した。提示のし方としては、継時提示と同時提示の2つが設定された。刺激対象は、簡単な幾何学図形(二等辺三角形、半円形、菱形、長方形、十字形、正方形)が用いられた。被験者は、ダウン症児40名、非ダウン症児40名、普通児40名の計120名が選ばれた。各被験者群は、実験の目的を満たすために、実験の条件別に分けられ構成された。その結果、つぎのようなことが示唆された。(1)ダウン症児は、触知覚による弁別で、継時提示、同時提示のどちらも、非ダウン症児と普通児より有意に劣っていた。このことから、提示のし方による弁別時の差異は確認されなかったが、反応内容の分析で、反応傾向に異なることが推察された。(2)視知覚による弁別では、提示条件による違いが観察された。つまり、同時提示のばあい、ダウン症児の弁別成績は、他のグループと比較して相違は認められなかった。しかし、継時提示においては、ダウン症児の弁別反応は、他のグループより有意に劣っていた。以上のことから、ダウン症児は、触知覚と視知覚による弁別反応が提示条件の相違の影響をうけることが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 19 (2), 10-18, 1981

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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