自閉症児における応答的発話の習得 : 共同行為ルーティンによる言語指導を通して

書誌事項

タイトル別名
  • Acquisition of Appropriate Responses to Questions by a Youth with Autism : Language Intervention Using a Joint Action Routine
  • 一自閉症児における応答的発話の習得--共同行為ルーティンによる言語指導を通して
  • イチジヘイショウジ ニ オケル オウトウテキ ハツワ ノ シュウトク キョウド

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抄録

質問に対してエコラリア(誤答)で応じるCA12歳5カ月の自閉症男児に対して、「買い物・トーストづくり」ルーティンを用いて、五つの型(Who型,Yes-No型,AorB型,Whose型,How型)の質問に対する適切な応答的発話の習得を目的とした指導を約8カ月間(23セッション)行った。その際に、スクリプトの獲得を評価するために、適切な応答的発話のバリエーションと獲得した応答行動の日常場面での般化を指標として新たに設定した。その結果、Who型、Yes-No型、Whose型の質問に対して適切な応答的発話が習得された。またAorB型、Which型、What型においてバリエーションが、Yes-No型において般化がみられた。以上のことから、次のことが検討された。(1)視覚的な手がかりが弁別刺激となり、対象児に対して適切な応答的発話の表出を促進した。(2)ルーティンを繰り返すことにより、それに含まれる言語・非言語を問わず行為の系列を再現できるようになったが、その意味や伝達意図の理解が可能になるまでには至らなかった。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 36 (1), 29-37, 1998

    一般社団法人 日本特殊教育学会

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