自己主張の活発化と生活空間の拡大を目指した教育的係わり合い : 一聾精神遅滞者に対する共感的対処の効果

書誌事項

タイトル別名
  • Educational Interaction Aimed at Improving the Self-assertion and Independence of an Adult with Disabilities : Case Study of the Effects of Sympathetic treatment on a Man with a Hearing Disability and Intellectual Disability
  • ジコ シュチョウ ノ カッパツカ ト セイカツ クウカン ノ カクダイ オ メ

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説明

聾精神遅滞者(M)との教育的係わり合いから、障害者の成人教育において、自己主張の活発化や生活空間の拡大が目指されることの重要性を報告した。我々は、当初、Mを素直で手の掛からない人であるかのように考えた。しかし我々は、Mが自己主張できないでいること、一人では生活空間を拡げられないでいることに次第に気付くようになった。そこで、(1)Mの思いを読み取りその実現をたすける、(2)Mが興味を抱いている活動を共有してみる、(3)Mが既に持つコミュニケーション手段を活用する。これら(1)〜(3)を重視した共感的対処を実行した。その結果、相互信頼が形成され始め、次第に、Mは堂々とした自己主張をするようになると共に生活空間を拡大しだした。以上の経過から、成人においても自己主張の活発化を促す対処が必要な場合があること、このことは生活空間の拡大に繋がるものであることについて考察した。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 35 (3), 43-50, 1997

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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