自閉症児における報告言語行動(タクト)の機能化と般化に及ぼす条件

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タイトル別名
  • Conditions for Establishing Functional and Generalized Tacts in Children with Autism
  • ジヘイショウジ ニ オケル ホウコク ゲンゴ コウドウ タクト ノ キノウカ

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説明

2名の自閉症児について、機能的な報告言語行動が成立するための条件を検討した。対象児は、静止画、動画、実際の動作が提示される場所まで歩いてゆき、その刺激を見てから聞き手のところで、「〜が〜を〜している」という文章を用いて報告する報告言語行動連鎖が形成された。実験Iでは、そのような行動連鎖が確立し、他者動作の訓練のみによって、自己動作が用いられた場合においても適切な主語と助詞を含む文が成立し、それらが共通の刺激クラスとしてまとまることが示された。実験IIでは、報告言語行動に伝達の機能をもたせるため、行動連鎖の中に、聞き手の名前を「呼びかける」言語反応を組み込んだ。その結果、未知の聞き手に対しても自発的呼びかけが成立した。すなわち、聞き手の注意を向けてから言語報告を行う行動が確立した。実験IIIでは、実際の教室場面において、獲得された行動連鎖の般化が評定された。その結果、聞き手を特定する手がかり刺激を与える手続きを付加することで、適切な呼びかけ反応ならびに適切な報告言語行動が生起した。これらの結果は、叙述的機能をもつ報告言語行動の機能化と般化のためのプログラム構成という点から考察された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 35 (1), 11-22, 1997

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (2)*注記

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