焼肉の色変化と評価実験に基づく2 色覚のための肉の焼け具合判断アプリの 作成

この論文をさがす

説明

色覚異常を持つ人の日常生活におけるトラブルとして,焼肉の焼け具合がわからないという報告がされている.このことから,色覚異常を持つ人は,一人で焼肉を行うことが難しいと言える.本研究では,2色覚の一人焼肉を補助すべく,焼肉が焼けたかどうかを知らせるアプリを作成した.実験では,肉の表面を測色すると同時に,3色覚と2色覚に焼肉の見た目の焼け具合を評価してもらった.焼肉の色変化の過程は,錐体刺激値LM平面にて特徴が現れていた.この変化過程は,2色覚に対してL軸またはM軸への射影となる.その結果,生肉の色が,肉が焼けていく過程の色変化のなかに埋もれてしまい,2色覚は色変化からでは焼け具合がわかりにくいことが示された.また評価結果をもとに,LM平面上にアプリによる焼け具合判断の閾値を設定した.作成したアプリと3色覚の判断がどれくらい一致するかを調べた.焼けた肉と焼けていない肉を,アプリが正しく判断する確率はそれぞれ63%と94%であった.また,焼けた肉,焼けていない肉に対して誤った判断をする確率はそれぞれ37%,6%であった.以上のことから,おおよそ正しく肉の焼け具合を判断するアプリを作成した.

収録刊行物

  • 日本色彩学会誌

    日本色彩学会誌 41 (3+), 141-144, 2017

    一般社団法人 日本色彩学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204654865920
  • NII論文ID
    130006161941
  • DOI
    10.15048/jcsaj.41.3__141
  • ISSN
    2189552X
    03899357
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ