乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の充填液の違いによる影響

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【要旨】体外循環回路充填における乳酸リンゲル液と酢酸リンゲル液の影響を比較検討した。対象は1998年3月から1999年4月に軽度低体温体外循環で施行した単独冠血行再建術22例で,乳酸リンゲル液を用いた10例(LR群),酢酸リンゲル液を用いた12例(AR群)である。測定項目は動脈血ガスのpH,HCO3-,BEを術前,病棟帰室時,術後第1病日,また術中重炭酸ナトリウム投与量を各々の群で測定した。心係数,体血管抵抗係数を麻酔後,ヘパリン投与15分後,体外循環終了時,病棟帰室時,術後第1病日に測定した。血液生化学検査はAST,ALT,T-Bilを術前術後に,術後のピークCKを各々の群で測定した。サイトカインはIL-1β,2,6,8,10,TGF-β1を麻酔後,ヘパリン投与15分後,体外循環開始時,復温直前,体外循環終了時,硫酸プロタミン投与15分後に測定した。血液ガス分析,血行動態,血液生化学検査,サイトカインは両群間のいずれの時期にも差はなかった。AR群はLR群に比べて術中重炭酸ナトリウム投与量は有意に少量であり,代謝性アシドーシスの補正には有用であると考えられた。

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