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説明
【要旨】当院では,CPB中の予定灌流量を体重を基準とした酸素消費量,目標体温,予測Hctおよび目標SvO2を60%に設定して計算している。従って,低体重症例で予定灌流量が維持できない場合や術者から低灌流量を指示された場合でも,SvO2を60%以上に維持するために低体温法や輸血で対応してきた。そこで,2000年1月から2004年12月までの体重10kg未満のCPB103例を対象とし,実際の大動脈遮断中の平均灌流量と灌流指数から計算した灌流量を比較検討した。その結果,大動脈遮断中の平均灌流量は灌流指数から計算した灌流量よりも低く,成人のそれと同流量か,それ以下であったが,全症例でSvO2を常時モニタしていたことから,安全性には問題がなかったと考えられた。当院では,適正灌流量を体重や体表面積に特有の灌流量としてではなく,体温,Hct,SvO2の条件によって変動する相対的な灌流量であると考えており,SvO2を指標として灌流量,体温,Hctを調整する方法は,安全性が高く,全身の酸素需給バランスを考慮した極めて妥当な方法であると考えている。
収録刊行物
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- 体外循環技術
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体外循環技術 33 (1), 24-27, 2006
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204654926464
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- NII論文ID
- 10017982740
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- NII書誌ID
- AN1020635X
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- ISSN
- 18845452
- 09122664
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可