Resting Heart Systemにおける凝固線溶活性の検討

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タイトル別名
  • Coagulofibriolytic activity of closed cardiopulmonary bypass(Medtronic Resting Heatr System TM)

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抄録

要旨:近年、欧米を中心に閉鎖回路が臨床使用され、本邦でも注目されつつある。我々は、閉鎖回路では血液と空気の接触がないことから体外循環がもたらす強力な凝固線溶活性を抑制するのではないかと考えている。今回、メドトロニック社製閉鎖回路、レスティング・ハート・システム(RHS: R群)と従来の人工心肺システム(C群)を比較し、術中術後の凝固線溶活性に影響を及ぼすかを検討した。対象は心停止下CABG症例のうち、C群、R群それぞれ9例とした。比較項目は、術後24時間出血量、 TAT、 FDPとし、採血ポイントは術前(T1)、体外循環離脱直前(T2)、体外循環終了後3時間(T3)の3ポイントで測定した。術後24時間出血量はR群が少ない傾向にあったが有意差は認めなかった。TAT、 FDPはそれぞれT2、 T3でR群が有意に低値を示した。以上の結果から、 RHSのような血液と空気の接触がない閉鎖回路では凝固線溶活性の抑制に大きく寄与したと考えられる。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 35 (4), 396-399, 2008

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (1)*注記

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