自閉症生徒における携帯電話の指導に関する研究 : 現実場面への般化を促す指導方略の検討

  • 福永 顕
    兵庫教育大学学校教育研究科障害児教育専攻:(現)兵庫県立神戸養護学校
  • 大久保 賢一
    筑波大学人間総合科学研究科心身障害学専攻
  • 井上 雅彦
    兵庫教育大学発達心理臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • 実践研究 自閉症生徒における携帯電話の指導に関する研究--現実場面への般化を促す指導方略の検討
  • ジッセン ケンキュウ ジヘイショウ セイト ニ オケル ケイタイ デンワ ノ シドウ ニ カンスル ケンキュウ ゲンジツ バメン エ ノ ハンカ オ ウナガス シドウ ホウリャク ノ ケントウ

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抄録

中学校情緒障害児学級に在籍する自閉症生徒1名を対象に、携帯電話の指導を行った。具体的には、自分の居場所を保護者に知らせる「報告行動」と保護者から指定された待ち合わせ場所に移動する「待ち合わせ行動」の獲得が目指された。まず、対象児の外出先のアセスメント、および保護者のニーズ調査を行い、指導目標の設定と支援実施場所の選定を行った。その後、現実場面をシミュレートした指導場面においてスキル遂行に必要な行動連鎖を形成し、現実場面で指導場面の効果を評定した。その結果、指導場面で形成された行動が現実場面で生起するためには、(1)強化として機能する飲食物の事前選択の導入、(2)応対行動の連鎖が中断した場合における再質問試行の導入が有効であった。これらの結果について、行動連鎖の形成については現実場面と指導場面による弁別刺激の共通性や類似性の観点から、現実場面におけるスキルの遂行については強化随伴性の観点から考察した。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 43 (2), 119-129, 2005

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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