知的障害者における表情ならびに音声からの他者感情の識別について

書誌事項

タイトル別名
  • Recognition of Emotions from Facial and Vocal Expressions by People with Mental Retardation
  • チテキ ショウガイシャ ニ オケル ヒョウジョウ ナラビニ オンセイ カラ ノ タシャ カンジョウ ノ シキベツ ニ ツイテ

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抄録

中・軽度の知的障害者124名と大学生128名を対象にビデオに録画された「音声」「表情(動画像)」「音声を伴う動画像(「音声+表情」)」を呈示し、感情の判断を求めた。また、表情識別能力と関連が予想される視知覚の発達との関係について検討した。その結果、以下の5点が明らかとなった。すなわち、(1)知的障害者は「音声」「表情」「音声+表情」のいずれの呈示条件においても健常者よりも低い成績を示すこと。(2)「表情」「音声+表情」の呈示条件では、知的障害者・健常者のいずれにおいても『幸福』の弁別成績が最もよいこと。(3)知的障害者では「表情」の正答数が「音声」の正答数よりも低い傾向が認められること。(4)知的障害者では<快-不快>の混同が健常者と比較して高率で認められること。(5)視知覚の発達と「表情」「音声+表情」の正答数の間に正の関連が示唆されること。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 40 (5), 443-450, 2003

    一般社団法人 日本特殊教育学会

被引用文献 (1)*注記

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