人工肺用ガスフラッシュ装置の試作と安全性について

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  • Trial product and safety of gas flush machine for artificial lung

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抄録

我々はPCPS施行時に人工肺の結露の除去・予防を目的としたガスフラッシュを自動で行う装置を試作した。ガスフラッシュを行うと酸素ボンベの流量計で調節した酸素ガスが一気に流れ、人工肺ガスラインの圧力が一時的に上昇して血液回路内への気泡混入の危険性がある。そこで、装置はガスラインの最大圧を最適圧となるように調節しているが、実際にガスフラッシュを行ったときの血液回路内の気泡を計測して安全性を検討した。方法はガスフラッシュ時のガスラインの最大圧と血液回路内圧を変化させ気泡を計測した。また、脱血不良時にガスフラッシュを行ったときの気泡を計測した。結果、ガスラインの最大圧が血液側圧力より高い場合、気泡は検出されなかった。しかし脱血不良時ではガスラインの最大圧が高くなるほど気泡数は多くなり、径の大きい気泡が計測された。今回、本装置はガスフラッシュ時に生じる圧力を調節してあるため人工肺への負担は少なく、血液側への気泡混入の危険性はない。しかし、脱血不良時など人工肺内部が陰圧となるような場合での使用は注意する必要がある。

収録刊行物

  • 体外循環技術

    体外循環技術 34 (2), 124-127, 2007

    一般社団法人 日本体外循環技術医学会

被引用文献 (2)*注記

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