説明
1955年~1957年の間における鉄鋼の分析法に関する報告を概観すると,光度定量法および発光分光分析法による分析法の報告がきわめて多くなつているのが特長である.ことに吸光度定量法は金属の有機あるいは無機化合物を有機溶剤により抽出して,その特有の吸収の強さを測定する方法が近年著しい発達をとげつゝあり,吸収スペクトルを測定する機器の発達とあいまつて鉄鋼分析法にも画期的な進歩をもたらしつゝある.本法は感度が著しくすぐれている上に妨害イオンの除去も比較的容易であり,かつ,迅速性もあるので今後ますます発達してゆくものと思われる.また,発光分光分析法も発光装置の進歩と高分散能を有する大型分光写真器の発達により,従来の難点であつた主成分のFeおよび高合金鋼に含まれるNi,Coなどのスペクトル線がきわめて複雑で分析元素のスペクトル線と分離不可能であつた点が改良され,直読式記録計も設備されてますますその有用性が高められつゝある.<BR>1956年にASTM法が若干改訂され,またJIS分析法も年1958中に改訂版が発行予定である.また「金属材料の光度定量法」および日本学術振興会より「鉄鋼迅速分析法」の著書が発行されている.
収録刊行物
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- 分析化学
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分析化学 7 (13), 76-83, 1958
公益社団法人 日本分析化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204660052736
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- NII論文ID
- 130000955553
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- ISSN
- 05251931
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可