<i>o</i>-フェニレンジアミン—過酸化水素反応を利用する淡水中の極微量クロム(VI)の接触定量と現場分析

  • 新藤 純平
    山梨大学大学院医学工学総合研究部機能材料システム工学専攻 株式会社環境技術センター
  • 川久保 進
    山梨大学大学院医学工学総合研究部機能材料システム工学専攻
  • 山野井 崇
    山梨大学大学院医学工学総合研究部機能材料システム工学専攻
  • 鈴木 保任
    山梨大学機器分析センター

書誌事項

タイトル別名
  • On-site Catalytic Determination of Trace Chromium(VI) in Fresh Water Using <i>o</i>-Phenylenediamine–Hydrogen Peroxide Reaction
  • o-フェニレンジアミン-過酸化水素反応を利用する淡水中の極微量クロム(Ⅵ)の接触定量と現場分析
  • o-フェニレンジアミン-カサンカスイソ ハンノウ オ リヨウ スル タンスイ チュウ ノ キョクビリョウ クロム(Ⅵ)ノ セッショク テイリョウ ト ゲンバ ブンセキ

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抄録

試料を採取現場で分析する方法は環境汚染の監視に有用であるが,環境基準濃度を測定できる高感度な方法は少ない.本研究では,過酸化水素によるo-フェニレンジアミン(OPDA)の酸化反応におけるクロム(VI)の触媒作用を利用し,反応10分後に生成したOPDA酸化物の吸光度を430 nmで測定するクロム(VI)の定量法を開発した.本法の検出限界は1 μg L−1で,0~1 mg L−1が定量できた.マスキング剤を使ってクロム(III),鉄,銅に対する選択性を向上させた.現場分析では,煩雑な反応温度の制御を避けるため,吸光度と現場の反応温度を測定するだけで一定の反応条件の吸光度値に換算する計算法を考案し,現場での温度の制御と検量線の作成を不要にした.自作の小型比色計を使って検出限界3 μg L−1で0~1 mg L−1のクロム(VI)が簡便に現場定量できようになった.本法を河川水と工場排水に応用し,本法の有用性を明らかにした.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 61 (2), 103-108, 2012

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (24)*注記

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