電気化学的舌癌診断 : フェロセン化ナフタレンジイミドと使い捨て電極チップを利用するテロメラーゼ測定

書誌事項

タイトル別名
  • Electrochemical Diagnosis for Tongue Cancer : Telomerase Assay Based on Ferrocenylnaphthalene Diimide and Disposable Electrode Chips
  • デンキ カガクテキ ゼツガン シンダン : フェロセンカ ナフタレンジイミド ト ツカイ ステ デンキョク チップ オ リヨウ スル テロメラーゼ ソクテイ

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抄録

テロメラーゼはがんのマーカーとして期待されている.テロメラーゼ活性の測定法として現在実用化されているテロメラーゼ反復配列増幅プロトコル(TRAP)法ではポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とゲル電気泳動が必要である.著者らはPCRを必要としない簡便な検出法として電気化学的テロメラーゼ活性測定法を考案した.テロメラーゼの基質となるTSプライマーを電極に固定化しテロメラーゼ反応を行うと,テロメアDNAが伸長され,この伸長産物は四本鎖DNA構造を形成する.電気化学的に活性なフェロセン化ナフタレンジイミド(FND)は四本鎖DNAに特異的に結合するため,伸長度合いによってFNDが電極上に濃縮され,電流増加が観察される.実際に,舌癌患者の口くう内全体の細胞(全剥離細胞),癌箇所の細胞(局所剥離細胞),癌組織切片について,TRAP法と電気化学的手法でテロメラーゼ陽性率を比較検討した.その結果,癌組織切片において100% のテロメラーゼ陽性率が両手法で見られたが,全剥離細胞,局所剥離細胞のテロメラーゼ陽性率はTRAP法ではそれぞれ13,24% であったのに対し,電気化学的手法ではそれぞれ88,88% と高い陽性率を示すこと分かった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 61 (3), 243-250, 2012

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (31)*注記

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