有機アルカリ試薬を用いるGC-MS/多変量解析法による上質紙の異同識別

  • 奥山 修司
    愛知県警察本部刑事部科学捜査研究所化学鑑定室
  • 肥田 宗政
    愛知県警察本部刑事部科学捜査研究所化学鑑定室

書誌事項

タイトル別名
  • Discrimination of Fine Paper Pretreated with Organic Alkali by GC-MS/Multivariate Analysis
  • ユウキ アルカリ シヤク オ モチイル GC-MS/タヘンリョウ カイセキホウ ニ ヨル ジョウシツシ ノ イドウ シキベツ

この論文をさがす

説明

上質紙のサイズ剤として使用されている3成分のロジン剤の混合割合を用いて,上質紙を異同識別する方法について検討した.ロジン剤成分であるピマル酸,アビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸を有機アルカリ試薬の一種である水酸化テトラメチルアンモニウムによりガラスバイアル中でメチルエステル誘導体化したのち,ガスクロマトグラフ質量分析により各成分のトータルイオンクロマトグラムに基づくピーク面積割合(%)を求めた.9種類の上質紙について,各々約5 mm × 約10 mmの面積部分の3か所を切り取って測定し,得られたデータを用いて多変量解析法の一種である主成分分析を行ったところ,7個のグループに分類できることが示された.本法は,坪量,厚さ等の物理的特徴や填料等の他の材料の比較とともに,上質紙の異同識別のための有効な指標の一つになりうると考えられる.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 65 (10), 575-579, 2016

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ