NMR分光法で見る拡張ナノ空間内における水及び非水溶媒の分子構造とダイナミクス

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タイトル別名
  • Structure and Dynamics of Water and Nonaqueous Solvents Confined in Extended Nanospaces Characterized by NMR Spectroscopy
  • NMR ブンコウホウ デ ミル カクチョウ ナノ クウカン ナイ ニ オケル ミズ オヨビ ヒミズヨウバイ ノ ブンシ コウゾウ ト ダイナミクス

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抄録

10~100 nmスケールの拡張ナノ空間は,マイクロからナノへテクノロジーが移行し,凝縮相から単一分子へサイエンスも移行する過渡的領域であるため,従来の概念とは全く異なる特異性が発現すると考えられる.本論文では,拡張ナノ空間に閉じ込めた水及び非水溶媒の構造とダイナミクスについて,核磁気共鳴法(NMR)を用いて解析した.その結果,拡張ナノ空間では壁面SiOHの電荷の効果が場全体に波及し,分子クラスターの挙動が顕在化され,バルク水や吸着水とも異なる溶液物性が発現することを見いだした.特に,空間サイズが800 nm以下になると,水の「並進運動の制限」「O-H…O結合方向への電荷分極」「Grotthuss機構によるプロトン移動の促進」が誘起されること,また,この特性は化学平衡や反応にも劇的な変化を与えることが分かった.以上より,拡張ナノ空間水は,壁面から高次に配向した50 nm程の水分子相を形成していることが示唆された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 64 (4), 261-271, 2015

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (2)*注記

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