書誌事項
- タイトル別名
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- Recovery of Rare Metals Using Nucleic Acid Bases and Extractants Immobilized by Grafted Polymer Chains
- ツギキ コウブンシサ ニ コテイ シタ カクサン エンキ オヨビ チュウシュツ シヤク ニ ヨル レアメタル ノ カイシュウ
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抄録
レアメタルの分析や精製に用いる高分子吸着材を,放射線グラフト重合法を適用して作製した.ポリエチレン製の多孔性の膜やシート,及びナイロン繊維を基材に選び,グラフト鎖を付与したのち,レアメタル捕捉構造を固定あるいは抽出試薬を担持した.まず,核酸塩基の一つであるアデニンを,ポリエチレン多孔性中空糸膜に付与したグラフト鎖に固定し,パラジウム溶液を膜内面から外面まで透過させながら,パラジウムのイオン種を特異的に捕捉した.アデニン固定量は0.85 mmol g−1であり,イオン交換樹脂ビーズのイオン交換基密度の半分程度であった.つぎに,酸性抽出試薬であるリン酸ビス(2-エチルヘキシル){Bis(2-ethylhexyl) phosphate, HDEHP}をポリエチレン多孔性シート及びナイロン繊維に付与したグラフト鎖に担持した.HDEHP担持密度3.4 mmol g−1のHDEHP担持多孔性シートにイットリウム溶液を透過させると,孔内部での拡散物質移動抵抗を無視できるため,透過流量によらずイットリウムイオンがシートに捕捉された.HDEHP担持繊維を充填したカラムにネオジムとジスプロシウムを負荷して,塩酸を使って溶出クロマトグラフィーを行った.HDEHP担持ビーズ充填カラムに比べて,HDEHP担持繊維充填カラムは高負荷量かつ高速でネオジムとジスプロシウムを分離できることを実証した.さらに,ドデカンチオール基と抽出試薬ジオクチルスルフィドとを共存させた繊維を作製し,濃塩酸中でパラジウムのアニオン種を特異的に捕捉できることを示した.
収録刊行物
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- 分析化学
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分析化学 66 (11), 771-782, 2017
公益社団法人 日本分析化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204661645312
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- NII論文ID
- 130006242989
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- NII書誌ID
- AN00222633
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- NDL書誌ID
- 028668377
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- ISSN
- 05251931
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可