平行ビームX線回折法と波長分散型蛍光X線分析法によるアセチルサリチル酸を主成分とする鎮痛解熱薬の比較分析

  • 岩田 明彦
    京都大学大学院工学研究科材料工学専攻
  • 河合 潤
    京都大学大学院工学研究科材料工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Comparative Analysis of Acetylsalicylic Acid Based Analgesic Antipyretic Drugs Using XRD Parallel Beam Method and Wavelength Dispersive-XRF
  • ヘイコウ ビーム Xセン カイセツホウ ト ハチョウ ブンサンガタ ケイコウ Xセン ブンセキホウ ニ ヨル アセチル サリチルサン オ シュセイブン ト スル チンツウ ゲネツヤク ノ ヒカク ブンセキ

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説明

薬品などの多くの有機物は,X線回折法では試料の詰め方で結晶粉体の配向性に影響を与えやすく,正しい分析結果を得るためには,配向の影響を取り除くための専用の手法や装置を必要としている.又一般に蛍光X線法は,それらの有機物が軽元素を中心とした組成であることから不得手な分析対象と誤解されている.一方で,人工多層膜ミラーの製造技術の進歩はX線を用いるX線回折や蛍光X線分析法に新しい可能性をもたらしている.X線回折では平行ビーム法(Parallel Beam Method)が,人工多層膜ミラーからの高い分解能と十分な輝度の平行X線を用いることにより,広く利用されるようになった.蛍光X線分析ではホウ素,炭素,酸素などの軽元素の微量分析用に設計された人工多層膜ミラーの利用が可能になっている.この論文では,こうした近年のX線回折や蛍光X線分析法の進歩が有機物や薬品の分析にどのように有効であるかの評価を,アセチルサリチル酸を主成分とする鎮痛解熱薬の比較分析という視点で行ったので報告する.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 60 (9), 749-760, 2011

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (2)*注記

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