レクチン修飾金ナノ粒子を利用した“ラクトフェリン”の凝集比色・光散乱分光分析

  • 藤本 彩
    高知大学教育研究部総合科学系複合領域科学部門
  • 清岡 千尋
    高知大学教育研究部総合科学系複合領域科学部門
  • 波多野 慎悟
    高知大学教育研究部総合科学系複合領域科学部門
  • 渡辺 茂
    高知大学教育研究部総合科学系複合領域科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Colorimetric and Resonance Light Scattering Detection of Glycoprotein, Lactoferrin, Using Lectin-conjugated Gold Nanoparticles
  • レクチン シュウショクキン ナノ リュウシ オ リヨウ シタ"ラクトフェリン"ノ ギョウシュウ ヒショク ・ ヒカリ サンラン ブン コウブンセキ

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抄録

糖タンパク質“ラクトフェリン(Lf)”について,レクチン修飾金ナノ粒子を利用したLf糖鎖─レクチン相互作用の分光分析について検討した.コンカナバリンA(Con A)修飾金ナノ粒子を調製し,その水溶液にLfを添加すると,糖鎖─レクチン間の特異的な結合を介して金ナノ粒子の凝集が誘起され,吸収・散乱スペクトルが変化した.そのスペクトルフィッティング解析からLf糖鎖─レクチン間の解離定数(Kd)を算出したところ,単糖─レクチン間に比べて著しく減少しており(結合力は増大しており),糖鎖クラスター効果の可能性を示す結果が得られた.このような金ナノ粒子は,Lfの高感度な分光プローブとしても有用であり,そのセンシング特性は,レクチンの固定化方法に依存することが分かった.静電結合型よりも共有結合型金ナノ粒子の方が,各種センシング特性(検出範囲509.0~9.0 nM,検出限界5.6 nM,感度0.5 nM-1)に優れ,さらにCon Aの導入量を増大させると感度が向上することが分かった.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 64 (9), 679-687, 2015

    公益社団法人 日本分析化学会

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