ヒト血清アルブミンの化学修飾解析の効率化:LC/MS/MSと差異解析ソフトの利用

  • 後藤 貴章
    東北大学大学院薬学研究科生命薬科学専攻
  • 工藤 裕太
    東北大学大学院薬学研究科生命薬科学専攻
  • 李 宣和
    東北大学大学院薬学研究科生命薬科学専攻
  • 大江 知行
    東北大学大学院薬学研究科生命薬科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Efficient Strategy for Screening Chemical Modifications on Human Serum Albumin: Use of LC/MS/MS and Differential Analysis Software
  • ヒト ケッセイ アルブミン ノ カガク シュウショク カイセキ ノ コウリツカ : LC/MS/MS ト サイ カイセキ ソフト ノ リヨウ

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抄録

タンパク質の化学修飾は,病態等に由来する生理的・化学的ストレスを反映する有用な情報源となる.本研究では,血漿しょう中最も高濃度で存在するヒト血清アルブミン(HSA)を対象に,液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)による化学修飾一斉解析法を検討した.その結果,異なる消化酵素(トリプシン,Glu-C),検出モード(正/負イオン),LC分離モード(逆相分配,親水性相互作用)の併用が,検出ペプチド数,配列カバー率,解析効率の向上に有効であった.本法をモデル修飾HSAに応用したところ,MascotとProteome Discovererを用いたデータベース解析により,29か所の修飾位置を直接同定可能だった.さらに市販のHSA除去カラムを流用したイムノアフィニティー抽出後のヒト正常血漿試料に適用し,Met87,Trp214やCys34の酸化,Lys525の糖化等36か所のアミノ酸上に,7種の修飾を同定した.さらにXCMS Onlineを用いた標品とのピーク強度比較解析により有意(p値<0.05)かつ3.5倍以上増大した12の修飾ペプチドを判別した.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 64 (9), 653-659, 2015

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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