冷凍メバチ肉の解凍前温度制御によるpH 維持効果と解凍肉の品質

  • 中澤 奈穂
    東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科
  • 福島 英登
    日本大学生物資源科学部海洋生物資源科学科
  • 和田 律子
    国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校食品科学科
  • 福田 裕
    東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科
  • 岡﨑 惠美子
    東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Maintenance of pH and Quality of Thawed Bigeye Tuna Meat by Temperature Control Before Thawing
  • レイトウ メバチニク ノ カイトウ ゼン オンド セイギョ ニ ヨル pH イジ コウカ ト カイトウニク ノ ヒンシツ

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説明

<p>解凍収縮(チヂレ)を起こす高鮮度の冷凍魚肉を解凍する方法として,保管温度を−10~−2oC 付近まで一旦上昇させ,一定期間経過後に解凍する温度制御方法を筆者らは検討している.本方法は解凍収縮の緩和ならびに解凍ドリップの抑制に有効であるが,さらに肉pH の低下を抑制し,高pH を維持する可能性が示唆されている.そこで本研究では,高鮮度の冷凍メバチ肉を−10 oC 下で0~10 日間保管してから解凍し,解凍前後のNAD およびATP 含量の変化から,pH を維持する条件を調べた.その結果,−10oC 下で2 日間以上保管すると,NAD 含量が0.2 µmol/ g 未満に減少し,解凍後も高pH(6.5 以上)を維持することが確認された.NAD が減少したことで嫌気的解糖反応が停止し,ATP 分解および乳酸生成が抑制されたことがその一因と推測された.なお,官能評価の結果より,解凍メバチ肉は高pH 維持によって刺身としての食感が向上することが示唆された.</p>

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被引用文献 (2)*注記

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