書誌事項
- タイトル別名
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- Two cases of severe thrombocytopenia developed by maintenance hemodialysis therapy with FPX polysulfone membranes
- 症例報告 ポリスルホン膜FPXによる血小板数減少が示唆された維持血液透析患者--2症例の報告
- ショウレイ ホウコク ポリスルホン マク FPX ニ ヨル ケッショウバンスウ ゲンショウ ガ シサ サレタ イジ ケツエキ トウセキ カンジャ 2 ショウレイ ノ ホウコク
- ―2症例の報告―
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抄録
血液透析(hemodialysis;HD)で血液がダイアライザーと接触すると補体,凝固・線溶系,血小板,白血球,サイトカインなどの活性化がおこる.このため血小板や白血球はHD開始直後に低値を示し,HD終了後にほぼ前値へ回復するとされている.われわれは,当院入院中の維持HD患者でダイアライザーが原因と考えられる血小板数の低下を認めた2症例を経験した.いずれの症例も,発症時にFPX®(polysulfone membrane;PS膜)を使用していた.血小板数はHD終了ごとに減少していたためダイアライザーを変更すると,HD後に血小板が減少することはなくなり,血小板数は回復した.経過および検査結果よりdisseminated intravascular coagulation(DIC)は否定した.1症例目は抗凝固剤heparinの投与は一切なく,2症例目ではheparinを中止することなくダイアライザーの変更のみで血小板数が回復したことからheparin induced thrombocytopenia(HIT)は否定した.薬剤歴および骨髄所見から薬剤性骨髄抑制も否定的であった.患者の状態が安定したところで,インフォームドコンセント(informed consent;IC)を得て再度FPX®を使用したところ,HD後に血小板数は著明に低下した.Heparinの投与量に関してはactivation coagulating time(ACT)を用いて評価を行った.FPX®は,生体適合性が比較的高いと考えられている.しかし,2症例ともFPX®使用開始後に血小板減少を認めており,血小板数はHD後に減少する傾向がみられ,ダイアライザーの変更のみで血小板数が前値へ回復した.またFPX®を再使用した際HD後の血小板数が半減した.このため血小板数の減少にはFPX®の関与が示唆された.
収録刊行物
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- 日本透析医学会雑誌
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日本透析医学会雑誌 42 (8), 573-580, 2009
一般社団法人 日本透析医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204677585408
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- NII論文ID
- 10025606896
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- NII書誌ID
- AN10432053
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- ISSN
- 1883082X
- 13403451
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- NDL書誌ID
- 10423228
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可