慢性透析患者の地域差の要因  ‐日本透析医学会統計調査委員会研究‐

書誌事項

タイトル別名
  • Factors influencing regional differences in the outcome of dialysis in Japan
  • 慢性透析患者の地域差の要因--日本透析医学会統計調査委員会研究
  • マンセイ トウセキ カンジャ ノ チイキサ ノ ヨウイン ニホン トウセキ イガッカイ トウケイ チョウサ イインカイ ケンキュウ
  • ―日本透析医学会統計調査委員会研究―

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説明

慢性透析患者においてその導入率,生存率などには,地域差があることが知られている.今回われわれは,その要因について検討した.日本透析医学会2004~2006年末の統計調査データベース(JRDR-09105)(n=102,011)を基に,人口あたり透析導入率と透析導入後1年生存率(ともに年齢を調整)を算出した.一方,日本透析医学会・日本腎臓学会ホームページ・施設会員名簿,財務省統計局,国民栄養調査などから122項目の都道府県別データを抽出し,単回帰分析で透析導入率,透析導入後1年生存率,透析専門医数との関連を検討した.結果,透析導入率では,透析施設数,夜間透析施設数,透析専門医数,一般病院数,一般病院平均在院日数,年平均気温,最低気温,日照時間,高齢単身世帯割合,肉類摂取量,脂質エネルギーが男女ともに正の相関を認め,一般老年人口割合,降水日数,雪日数,一般世帯の平均人員,悪性新生物・脳血管疾患による死亡者数,緑黄色野菜以外の野菜・魚介類・炭水化物・カルシウム・鉄・食塩・ビタミンB2・C摂取量が男女ともに負の相関を認めた.透析導入後1年生存率では,脳出血の既往が男女ともに正の相関を,透析後BUNが男女ともに負の相関を認めた.また専従看護師,専従栄養士数が正の相関を認めた.透析専門医数では,透析導入患者数,1年生存率,蛋白異化率,Kt/V,1回あたり透析時間,透析施設数,夜間透析施設数で正の相関を認め,透析後Crが負の相関を認めた.透析患者の導入率,生存率,透析専門医数にはさまざまな因子が関与しており,今後の透析医療をいかに進めていくかは多角的な方面からの検討が必要である.

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参考文献 (24)*注記

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