ダルべポエチンの積極的使用により輸血量の軽減が得られた骨髄異形成症候群合併透析患者の1例

  • 鈴木 康紀
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 酒井 謙
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 大谷 隆俊
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 服部 吉成
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 田中 仁英
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 大橋 靖
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 河村 毅
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 水入 苑生
    東邦大学医療センター大森病院腎センター
  • 相川 厚
    東邦大学医療センター大森病院腎センター

書誌事項

タイトル別名
  • Case report : High-dose darbepoetin therapy in a patient on dialysis with low-risk myelodysplastic syndrome
  • 症例報告 ダルベポエチンの積極的使用により輸血量の軽減が得られた骨髄異形成症候群合併透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク ダルベポエチン ノ セッキョクテキ シヨウ ニ ヨリ ユケツリョウ ノ ケイゲン ガ エラレタ コツズイイケイセイ ショウコウグン ガッペイ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

症例は34歳,男性.非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎による末期腎不全のため,2006年3月(31歳)に当院で腹膜透析(PD)を導入した.既往歴として1990年(15歳)より貧血を指摘されていたが原因不明であった.透析導入後も高度の貧血が遷延し,頻回の赤血球輸血を必要としたため,精査目的で2006年8月に再入院した.骨髄所見に基づき骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)と診断,病型は不応性貧血(refractory anemia:RA),重症度分類は低リスク群であった.輸血,エポエチンβ 12,000IU/2週投与に加え,蛋白同化ステロイドの投与,さらに十分な透析量確保のためにPD/血液透析(HD)併用療法を開始したが,貧血の改善は得られなかった.しかし,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agents:ESA)をダルべポエチン(darbepoetin alfa:DA)に変更し180μg/週まで増量したところ,貧血の改善と輸血量の軽減が得られ,生活の質(quality of life:QOL)は向上した.DAを用いた十分量のESA投与がRAに対して有効であることを示す症例と思われ,今後,MDSの治療においてESAが広く使用可能になることが期待される.

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ