わが国の慢性透析療法の現況(2007年12月31日現在)

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タイトル別名
  • An overview of dialysis treatment in Japan (as of Dec. 31, 2007)
  • ワガクニ ノ マンセイ トウセキ リョウホウ ノ ゲンキョウ 2007ネン 12ガツ 31ニチ ゲンザイ

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抄録

2007年末の統計調査は全国の4,098施設を対象に実施され,4,052施設(98.88%)から回答を回収した.2007年末のわが国の透析人口は275,242人であり,昨年末に比べて10,769名(4.1%)の増加であった.人口百万人あたりの患者数は2,154人である.2006年末から2007年末までの1年間の粗死亡率は9.4%であった.透析導入症例の平均年齢は66.8歳,透析人口全体の平均年齢は64.9歳であった.透析導入症例の原疾患ごとのパーセンテージでは,糖尿病性腎症が43.4%,慢性糸球体腎炎は23.8%であった.日本透析医学会基準である透析液エンドトキシン濃度0.05EU/mL未満は,93.6%の施設で,透析液細菌数100cfu/mL未満は97.4%の施設において達成されていた.HCV抗体陽性患者が透析人口全体に占める割合は,1999年末の15.95%から2007年末には9.83%へと大幅に低下した.2007年末の透析人口全体におけるヘモグロビン濃度の平均は10.27(±1.32,s.d.)g/dLであり,過去3年間ほとんど変化していなかった.大腿骨頸部骨折の既往がある患者は,男性が透析人口1万人あたり142.9人,女性は339.0人であり,女性で圧倒的に高かった.また,大腿骨頸部骨折の既往は,低いBody Mass Indexや血清アルブミン濃度,そして糖尿病と関連していた.2007年1年間に新たに透析療法に導入された患者の透析導入時血清クレアチニン濃度は8.34(±3.55)mg/dL,推算糸球体濾過値は5.43(±3.43)mL/分/1.73m2であった.

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