維持血液透析患者における膿尿および尿細菌培養所見の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Urinalysis and urinary bacterial culture in patients on maintenance hemodialysis
  • イジ ケツエキ トウセキ カンジャ ニ オケル ノウ ニョウ オヨビ ニョウ サイキン バイヨウ ショケン ノ ケントウ

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説明

【目的】尿路感染症症状のない無症候性透析患者の尿所見を検討した. 【方法】3か月以上血液透析を行っている患者で明らかな尿路感染症状のない患者54名を対象とし, 尿沈渣および一般細菌培養の所見を検討した. 対象の平均年齢は65.1歳, 平均透析期間は46.4月で, 糖尿病性腎症が原疾患の患者は23例であった. 【結果】沈渣で白血球数が5/HPF以上の膿尿患者は20例 (37.0%) で, 菌数が104×CFU/mL以上の細菌尿症例は19例 (35.2%) であった. 膿尿症例20例のうち, 細菌尿は9例 (45.0%) で認められた. 膿尿のある患者と膿尿のない患者における細菌尿の陽性率に差は認められなかった (p=0.256). 38例で52菌種が分離された. Staphylococcus属が12例 (23.0%) と最多で, Streptococcus agalactiaeEnterococcus faecalisが8例 (15.4%), Escherichia coliは5例 (9.6%) であった. また, 多剤耐性菌は認められなかった. 【結語】透析患者の尿路感染症に対しては, これらの所見を参考にして, 治療方針を考慮するべきであると考えられた.

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参考文献 (11)*注記

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