担癌透析患者に対する化学療法

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タイトル別名
  • Management of chemotherapy in hemodialysis patients
  • 担癌透析患者に対する化学療法 : 3例の治療経験をふまえて
  • タンガン トウセキ カンジャ ニ タイスル カガク リョウホウ : 3レイ ノ チリョウ ケイケン オ フマエテ
  • : 3 cases in our institution
  • : 3例の治療経験をふまえて

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抄録

近年,透析技術の進歩により慢性腎不全患者の長期生存が可能になった.それに伴い担癌透析患者数も増加している.しかし,担癌透析患者に対する化学療法はいまだ確立しておらず,抗癌剤の代謝特性を考慮しながら臨床試験や症例報告における投与量を参考にレジメンを決定しているのが現状である.今回,担癌透析患者3例に対し化学療法を施行する経験を得たので報告する.症例1は原発性マクログロブリン血症:リツキシマブ,CHOP(シクロフォスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)療法,ボルテゾミブにて治療を施行したが,化学療法抵抗性であり化学療法開始4か月後癌死した.症例2は進行卵巣癌:パクリタキセル,カルボプラチンによる化学療法を施行.治療は奏効していたが,誤嚥性肺炎,仙骨部褥創により化学療法継続が困難となり治療開始後6か月で癌死した.症例3は両側外耳癌:UFT®,カルボプラチン,放射線外照射による治療を施行したが,癌の進行により治療開始後6か月で癌死した.いずれの症例も化学療法開始後4~6か月で癌死したが,文献報告を検索すると原疾患は異なるが化学療法が奏効した例もあり,担癌透析患者に対する化学療法に関しては今後,治療法の標準化と治療成績の集積が重要であると考えられた.

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参考文献 (25)*注記

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