人工血管移植術後に溶血性貧血をきたした透析患者の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Hemolytic anemia caused by implantation of synthetic vascular prosthesis in a hemodialysis patient-A case report
  • 症例報告 人工血管移植術後に溶血性貧血をきたした透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク ジンコウ ケッカン イショク ジュツゴ ニ ヨウケツセイ ヒンケツ オ キタシタ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

症例は65歳女性.1983年血液透析導入(原疾患不明).1991年生体腎移植.2001年血液透析再導入.2007年7月右前腕内シャント閉塞にて左前腕人工血管(グラシル®)移植術施行.手術時出血量は50mL以下で多くはなかった.が,術後10日目Hb 10.7g/dLから7.7 g/dLと貧血の進行を認めた.エリスロポエチン(EPO)製剤増量,鉄剤投与で一時,貧血改善するも50日目頃から再び貧血進行.術後90日頃Hb 6.6 g/dLまで低下.AST 43IU/L,LDH 974IU/L,ハプトグロビン3mg/dL低値と溶血所見を認めた.クームス,寒冷凝集素は陰性.グラフト部のエコー,血管造影検査にて上腕動脈のグラフト吻合部から橈骨動脈,尺骨動脈分岐部まで内膜の解離と偽腔への血流を確認した.貧血に対し輸血計4単位施行.その後溶血所見の軽減と3か月半頃からはEPO製剤投与のみで貧血が改善した.動脈解離は残存しているが術後1年経過しても溶血性貧血の再発はない.

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参考文献 (13)*注記

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