慢性血液透析患者におけるシナカルセトのJSDTガイドライン達成率への影響  ‐びわこ臨床透析カンファレンス共同研究‐

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タイトル別名
  • Effects of cinacalcet on achieving the targets listed in the guidelines of the Japanese Society for Dialysis Therapy
  • 慢性血液透析患者におけるシナカルセトのJSDTガイドライン達成率への影響--びわこ臨床透析カンファレンス共同研究
  • マンセイ ケツエキ トウセキ カンジャ ニ オケル シナカルセト ノ JSDT ガイドライン タッセイリツ エ ノ エイキョウ ビワコリンショウ トウセキ カンファレンス キョウドウ ケンキュウ
  • ―びわこ臨床透析カンファレンス共同研究―

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抄録

目的:シナカルセトによる二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)治療に関し,治療目標達成に影響を与える因子を検討した.対象と方法:びわこ臨床透析カンファレンス共同研究参加施設においてシナカルセト投与を受けた血液透析患者52例を対象とした.シナカルセト開始24週間観察し,日本透析医学会(JSDT)SHPT治療ガイドラインの目標値達成に関して後ろ向きに調査した.一部の症例では副甲状腺体積を超音波にて測定した.結果:治療中断した5例,intact PTH(iPTH)値の追跡不能であった1例を除く46例(平均年齢57歳,平均透析期間12年)を解析対象とした.iPTH目標値を達成したのは24例(52%)であり,iPTH,リン,カルシウムの3項目目標値をすべて達成したのは19例(41%)であった.3項目達成群は,未達成群に比し,iPTHおよびカルシウムが有意に低値であり,iPTH基礎値が500 pg/mL以下の群では,500 pg/mLを超える群に比し,高い達成率を示した(63% vs. 11%,p<0.001).また,前カルシウム値が目標範囲内の群では,目標値を超えた群に比し,3項目達成率が高い傾向を示した(52% vs. 23%,p=0.06).iPTH目標値を達成した24例のうち,18例(75%)が投与開始8週後以内に達成していたが,20週以降に目標値を達成した症例も存在した(3例,12.5%).達成までの期間は前iPTH値と相関しなかった.超音波検査を行った5例では,副甲状腺総体積は投与開始前580±349 mm3から投与24週後357±254 mm3と62%減少した(p=0.03).結論:Ca値が目標範囲内でかつiPTHが比較的低値の症例ではシナカルセトによるJSDTガイドライン達成率が高い.また,腫大した腺腫に対してもシナカルセトは縮小効果を有する可能性が示された.

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参考文献 (17)*注記

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