妊娠初期に LSIL であったにもかかわらず妊娠中期に進行子宮頸癌と診断した 1 例

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タイトル別名
  • A case of advanced uterine cervical cancer in 2rd trimester that had LSIL in 1st trimester of pregnancy

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説明

背景 : 妊婦に浸潤性子宮頸癌が合併する頻度は 0.06~0.41%と報告されている. 今回, 妊娠初期には LSIL であったにもかかわらず, 妊娠中期の不正出血の精査にて進行子宮頸癌と判明した症例を経験したので報告する. <br>症例 : 32 歳, 0 経妊 0 経産. 自然妊娠. 妊娠 10 週での子宮頸部細胞診では LSIL, 妊娠 22 週の細胞診では HSIL であった. 妊娠 29 週に性器出血のため当科紹介となった際の細胞診は SCC, 狙い組織診でも浸潤性扁平上皮癌と判明し, 子宮頸癌 FIGOIIA 期の診断にて, 妊娠 31 週にて帝王切開と広汎子宮全摘出術を施行した. <br>結論 : 進行子宮頸癌を合併した妊婦の頻度は 0.41%と報告されている. 妊娠中の細胞診は, 妊婦に特徴的な頸管粘液の増加や炎症および採取器具などによる出血などのため, 判定できる細胞数が少なくなり, 推定病変が under diagnosis になる傾向がある. 妊娠中でも, 浸潤癌を否定するために, 子宮腟部の確実な擦過を心がけ, 異常症例ではコルポスコピーを施行すべきである. 症例に応じて組織生検など, 精査および厳重な管理が必要である.

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