書誌事項
- タイトル別名
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- ソウタイ ホウシュウリョウ ドウイツ ジョウケン カ ニ オケル ブブン キョウカ ガ シロネズミ ノ ソウロ ハンノウ ニ オヨボス コウカ
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抄録
従来の部分強化の実験においては, 習得試行の終りまでに与えられる総体的な報酬の量 (Rt) が統制群・実験群にわたって等しくないか, または良く統制されてはいなかつた。したがつて部分強化の効果が, 単に部分強化の間歇性 (つまり強化試行がとびとびであること) によるものであるのか, またはRtの差異による摂食反応に違いがあるからか, またはその双方によるものか一義的に決定できなかった。本実験では, 全体の試行数とRtを同一にした部分強化の諸群をつくり, 連続群と比較して部分強化の効果があらわれるかどうかを検討した。シロネズミ49匹を11~13匹ずつに分け, それらの群に次のような処理をおこなった。第I群 (連続強化群) : 強化 (試行の) 率100%, (この場合のRtをペレット30粒とする);第II群 : 50%でRtは同じく30粒 (1回の強化試行で2粒与える);第III群 (普通の50%強化群で各強化試行に1粒); 第 IV群 : 33.3%でRtは30粒 (各強化試行に3粒与える) 。各群は30回の習得試行をおこなった。またいずれも定率強化であった。後に消去がおこなわれた。<BR>結果は : 習得試行の走行時間には, Rtの同一群, つまり, 第I, II, IV群の間には有意な差は見出されなかったけれども, 強化率が小になるほど走行時間は大になる傾向は見られた。強化率の等しく, Rtの異なる第II群と第III群の間, および強化率と Rt の異なる第I群ど第III群の間には有意な差が見いだされなかった。<BR>消去抵抗については, 第I, II, IV群の間には有意な差は見いだされず, また第 II 群と第III群の間にも有意な差は見いだされなかつたけれども, 連続強化群である第 I 群と, 強化率とRtが共に第I群の半分である従来の形の50%強化群の間には統計的に有意差が見られた。このことから, 部分強化群の示す大きな消去抵抗は, 間歇性によるばかりではなく, Rtの差異にもよるものではないかということが示唆された。
収録刊行物
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- 動物心理学年報
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動物心理学年報 10 65-70, 1960
日本動物心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204694994560
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- NII論文ID
- 40018140131
- 130003658008
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- NII書誌ID
- AN10363631
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- ISSN
- 18836283
- 00035130
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- NDL書誌ID
- 9127885
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可