胃癌UICC‐TNM StageIII/IVにおける術中腹腔洗浄細胞診の予後予測性の検討

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  • Upstaging based solely on positive peritoneal washing does not affect the outcome of gastric cancer cases in UICC-TNM system

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目的: 術中腹腔洗浄細胞診陽性 (CY1) は胃癌取扱い規約・UICC-TNM 両者で StageIVの因子である. より予後予測性が高いとされる UICC-TNM を用いて CY1 のもつ予後予測性を再検討した.<br>方法: 当院の術前化学療法例・術死例を除く 98 例の pT3-4 胃癌切除症例 (CY0: 69 例, CY1: 29 例) を UICC-TNM と規約で Staging し, Kaplan-Meyer 法で予後を解析し, P<0.05 で有意とした.<br>成績: UICC-TNM では StageII: 6 例, III: 34 例, IV: 58 例であった. CY1 以外の点では UICC-StageIIIに相当する症例 (StageIII+M1 (Cy+) ) は 6 例あった. 症例全体では CY1 は有意な予後因子であった. StageIV/CY1 は StageIV/CY0 と予後に有意差がなかった (P=0.1531) が, StageIII+M1 (Cy+) を除いた場合, 有意に予後が悪かった (P=0.0050). 一方, StageIII+M1 (Cy+) 症例の生存曲線は UICC-StageIIIのものとほぼ一致した.<br>結論: CY1 は StageIII+M1 (Cy+) 症例においては予後予測性がない. そのような症例を UICC-StageIV/CY1 症例と同様な臨床的対応を行うことは疑問がある. CY1 の予後予測性は UICC-StageIII+M1 (Cy+) を UICC-StageIVから除くことで増強される.

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