転移巣で肉腫様変化を示した唾液腺導管癌の 1 例

  • 上田 香織
    栃木県立衛生福祉大学校臨床検査学部臨床検査学科 地方独立行政法人栃木県立がんセンター臨床検査科
  • 星 暢夫
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター病理診断科
  • 中野 公子
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター臨床検査科
  • 小倉 祐紀子
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター臨床検査科
  • 小林 美穂
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター病理診断科 一般財団法人慈山会医学研究所付属坪井病院病理診断科
  • 星 サユリ
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター病理診断科
  • 平林 かおる
    地方独立行政法人栃木県立がんセンター病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of salivary duct carcinoma exhibiting sarcomatoid changes in the metastatic lesions

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抄録

<p>背景 : 唾液腺導管癌 (salivary duct carcinoma : SDC) は耳下腺好発の比較的まれな高悪性度腫瘍である. われわれは肉腫様成分が多発転移した耳下腺原発の唾液腺導管癌を経験したので報告する.</p><p>症例 : 70 歳代, 女性. 左耳下腺腫瘍に対しての術前の穿刺吸引細胞診では, 腫瘍細胞が重積性集塊でみられ, 悪性の判定であったが組織型の推定にはいたらなかった. 手術で摘出された腫瘍部捺印細胞診では, SDC に矛盾しない細胞像が観察された. 顎下腺およびリンパ節摘出検体の組織診においては, 腺癌成分とともに肉腫様成分が認められ, 2 つの成分に移行像がみられた. 初回治療の 9 ヵ月後には, 肺・副腎に転移をきたし, 気管支擦過細胞診では, 肉腫様細胞が観察された.</p><p>結論 : SDC の細胞診断では, 典型的な細胞像だけでなく, 亜型の存在や転移による細胞像の変化を念頭において総合的に判定する必要がある.</p>

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参考文献 (10)*注記

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