子宮平滑筋腫内に発生した平滑筋肉腫の 2 例

  • 長友 忠相
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院検査科
  • 木村 勇人
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院病理科 市立豊中病院病理診断科
  • 永野 輝明
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院病理科
  • 奥 和子
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院検査科
  • 杉生 憲二
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院検査科
  • 山根 三千秋
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院検査科
  • 吉野 龍一
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院検査科
  • 中塚 伸一
    独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院病理科

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of leiomyosarcoma arising from a uterine leiomyoma

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説明

背景 : 子宮平滑筋肉腫の大部分は de novo に発生すると考えられており, 子宮平滑筋腫から発生した症例の報告は少ない. 今回, 子宮平滑筋腫から発生したと考えられる平滑筋肉腫の症例を 2 例経験したので報告する.<br>症例 : 症例 1 は 60 歳代, 主訴は下腹部膨満感. MRI にて悪性が疑われたため, 単純子宮全摘術, 両側付属器摘出術が施行された. 術中の捺印細胞診は大型の異型紡錘形細胞の出現を認めたため「悪性疑い」と判定した. 術後の組織学的検討では脂肪平滑筋腫内に平滑筋肉腫の像を認めた. 症例 2 は 30 歳代, 主訴は不正性器出血. MRI にて指摘された子宮腫瘍に対して筋腫核出手術が施行された. 術中組織診, 捺印細胞診とも悪性を疑う巨大多核細胞が少数認められるも, 全体的に細胞は小型で比較的異型に乏しく, 「良悪性判定困難」にとどまった. 術後の検討では変形平滑筋腫内に平滑筋肉腫の像を確認した.<br>結論 : 子宮平滑筋腫瘍に対して術中捺印細胞診を補助診断として活用する場合, まれながら子宮平滑筋腫から平滑筋肉腫が発生することがある点を念頭に置いて悪性度を評価する必要がある.

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参考文献 (22)*注記

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