静止画像を用いたTelecytologyの問題点の検討

  • 矢羽田 一信
    社団法人大阪府医師会保健医療センター細胞診・病理組織診断部
  • 中山 富雄
    地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター調査部疫学課
  • 楠 洋子
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター政策医療企画研究部
  • 寺本 友昭
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター病理部
  • 北市 正則
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター病理部

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of the problems associated with telecytology using still images

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抄録

目的: 静止画像を用いた Telecytology の診断成績を向上させるために Telecytology の問題点について検討した.<br>方法: 呼吸器検体 142 例を対象とした. 適正露出で撮影するためにデジタルカメラのブラケティング機能を使用した. 標本の全体像と細胞の大きさを把握するため対物 20 倍でパノラマ撮影し, 画像編集ソフトでパノラマ画像を作成した. 異型細胞の画像を並べて比較するために画像編集ソフトでインデックス画像を作成した. 細胞検査士と細胞診専門医の良悪判定が異なる場合は画像を追加撮影し再判定した.<br>成績: ブラケティング機能は, 過剰露出による異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. 対物 20 倍で撮影したパノラマ画像は, 標本全体の把握に役立つと同時に細胞の大きさの誤認による異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. インデックス画像は送信枚数を増加できると同時に細胞の異型度や大きさの比較を容易にし, 異型扁平上皮細胞の過大判定を改善した. 追加撮影による再判定は, 通常の顕微鏡診断との一致率を向上させた.<br>結論: デジタルカメラの機能や画像編集ソフトの使用および追加撮影による再判定は Telecytology の問題点を改善し, 診断成績を向上させた.<br>

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参考文献 (18)*注記

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