ニトログリコール中毒の本態論的研究 : ネコにおける中枢神経系の電気的活動に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • ON THE TOXICITY OF NITROGLYCOL : I. Change of Electrical Activity in the Central Nervous System after Acute Intramuscular Administration of Nitroglycol in Cat
  • ニトログリコール チュウドク ノ ホンタイロンテキ ケンキュウ

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説明

ネコにニトログリコールを筋肉内注射した場合に脳波,血液中のメトヘモグロビン,脈搏数の3者がいかに変化するかを追究した。ニトログリコールの投与量は250mg/kgと100mg/kgの二つで,いずれも10%オリーブ油溶液として筋注した。 脳波にみられた変化はどの投与量の場合にも質的に類似しており,第一に注射直後の扁桃核での高振巾徐波の出現,第二に注射後30分(250mg/kg投与例)または60分経過後(100mg/kg投与例)にみられた全脳波(海馬,扁桃核,新皮質)の平低化が特記すべきものであった。 この全脳波の平低化は血中メトヘモグロビンが60%に達した後にみられ,おそらくメトヘモグロビン血症に由来するHypoxiaによるものと考えられた。他方,扁桃核にみられた初期の変化にひき続いて海馬の規則的な徐波の振巾の減少がおこったことから,扁桃核-視床下部の系への侵襲がニトログリコール急性投与時の特徴ある変化と考えられた。

収録刊行物

  • 産業医学

    産業医学 4 (5), 326-332, 1962

    社団法人 日本産業衛生学会

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