国内における大規模繁殖養豚農場の生産効率と飼養管理の特徴

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  • Characteristics of Production Efficiency and Management Procedures Operated by Large Swine Breeding Herds in Japan

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抄録

本研究の目的は,農場規模グループ間で生産効率と飼養管理を比較することにより,大規模農場の特徴を明らかにすることであった。同一の生産記録ソフトを使用している115農場に,飼養管理に関する調査票を送付した。回答のあった96農場(83.5%)のアンケート結果は農場の繁殖データと統合し分析に用いた。96農場は平均在庫雌豚数の上位と下位25パーセントタイルを用いて,大規模(394頭以上),中規模(167-393頭),小規模(166頭以下)農場の3グループに分類した。農場グループ間の生産効率と飼養管理の比較には分散分析を用いた。大規模農場の平均在庫雌豚数(±標準誤差)は,1,032±188.0頭であった。大規模農場は小規模農場よりも,年間種付け雌豚当たり離乳時子豚数が2.6頭多く,補正21日齢一腹体重が4.0 kg重かった(P<0.05)。Gilt pool size,更新率,雌豚の淘汰率と死亡率において,農場グループ間で差はなかった。大規模農場は小規模農場よりも従業員1人当たりの在庫雌豚数が112.8頭多く,1つの分娩クレート当たりの離乳腹数が2.8腹多かった(P<0.05)。大規模農場は小規模農場よりも,若雌豚の自家育成を行い,画像式超音波妊娠鑑定器を使用していた(P<0.05)。分娩誘発剤使用割合は,大規模農場が小規模農場よりも42.9%多かった(P<0.05)。妊娠期の給餌や子豚管理において,農場グループ間で差はなかった。大規模農場は,高い労働効率と設備使用効率を持ち,最新技術を用いて,高い繁殖生産性を持つと考えられる。

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