慢性期にDICを発症したB型大動脈解離―慢性期偽腔開存の危険性―

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タイトル別名
  • Chronic Type B Aortic Dissection Associated with Disseminated Intravascular Coagulopathy: The Risk of a Patent False Lumen in the Chronic Phase
  • ——慢性期偽腔開存の危険性——

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B型大動脈解離の急性期治療は内科的保存的治療が一般的ではあるが,合併症により慢性期に外科治療を要する症例が少なくない.外科的治療を必要とするB型慢性解離の稀な合併症として,播種性血管内凝固症候群(DIC)が報告されている.DICを合併した慢性解離の治療としては抗凝固療法や凝固因子の補充などの内科的治療と外科的治療があるが,いまだ議論のあるところである.われわれは解離発症後,2年半を経てDICを合併した偽腔開存型慢性B型大動脈解離症例を経験した.CT所見からDICの原因を胸部大動脈偽腔内での凝固線溶亢進と判断し,entry閉鎖による偽腔血栓化を目的に弓部大動脈置換を行った.DICは術後すぐに改善し,患者は日常生活に復帰した.偽腔開存慢性B型解離ではDICをきたす危険性があり,CTによる大動脈径の観察だけでなく,凝固線溶系の検査も必要である.

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