野生カモシカの下痢原性病原体保有状況と河川水汚染との関連性

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タイトル別名
  • Incidence of Diarrheagenic Microorganisms in the Japanese Serow (<I>Capricornis crispus</I>) and Relations to Environmental Water Contamination
  • ヤセイ カモシカ ノ ゲリ ゲンセイ ビョウゲンタイ ホユウ ジョウキョウ ト カセンスイ オセン ト ノ カンレンセイ
  • Incidence of Diarrheagenic Microorganisms in the Japanese Serow (Capricornis crispus) and Relations to Environmental Water Contamination

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説明

蔵王山系に生息するカモシカの糞便を中心に, 下痢原性病原体保有状況を調査した. その結果, カモシカ53頭中2頭 (3.8%) から5種の血清型のべ口毒素産生大腸菌が分離された. この中でO91: H-株は, 同時期に分離されたヒト由来株と同じ血清型であったが, パルスフィールドゲル電気泳動法によるDNA解析では, 両株は異なる切断パターンを示した. 原虫では, カモシカ13頭 (24.5%), 犬1頭 (11.1%) からジアルジアのシストが検出された.検出個数は1g当たり20~5, 494個であった.クリプトスポリジウムは検出されなかった. この結果から原虫による水系汚染の関与を探る目的で, 同山系を水源とする河川水の調査を実施した. 上流域3地点からはジアルジアは検出されなかった. 下流域1地点から積雪時期にジアルジアが検出されたが, この汚染は地理的にみて, 生活・農業排水の関与が考えられた.

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