細動脈硬化に起因した犬の網膜剥離の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Canine Retinal Detachment caused by Arteriolosclerosis
  • 細動脈硬化に起因した犬の網膜剥離の1例
  • サイドウミャク コウカ ニ キインシタ イヌ ノ モウマク ハクリ ノ 1レイ

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説明

9歳6カ月齢のシェトランドシープドッグが突然両眼失明し上診された. 初診時に硝子体内に多数の球形の微小物体が存在しており, 星状硝子体症と診断された. その後, 右眼に硝子体出血が観察され, 左眼には激しい網膜剥離が起こり一部に網膜出血がみられた. 病理組織学的には, 左右眼球の網膜および脈絡膜の細動脈は高度に硝子化し, 内腔は狭窄あるいは閉塞していた. その他, 腎臓では細動脈の硝子化ならびに糸球体硬化が広範に認められ, 肝臓の小葉間動脈ならびに脾臓の中心動脈や筆毛動脈も硝子化を示した. これら網膜および脈絡膜を含む全身の主要臓器にみられた血管変化は内膜の硝子化を主徴とする細動脈硬化と診断された. 本症例にみられた眼病変は網膜および脈絡膜の細動脈の動脈硬化による出血あるいは漏出によるものと思われる.

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