豚痘の集団発生例について

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タイトル別名
  • 豚痘の集団発生例について 臨床形態学的および原因学的検査成績
  • トントウ ノ シュウダン ハッセイレイ ニ ツイテ リンショウ ケイタイガクテキ オヨビ ゲンインガクテキ ケンサ セイセキ
  • 臨床形態学的および原因学的検査成績

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抄録

神奈川県下の1養豚場で, 豚痘の集団発生例に遭遇し, これについての発病状況, 皮膚病変の形態学的および原因学的検査を行ない, 次の所見を得た.<BR>1. 発病豚は33頭で, 自家産のF1 (中ヨークシャー種×ランドレース種), 50~60日令, 体重15~20kgのものであった.<BR>2. 皮膚の病変が特徴的で, 全身の皮膚に発痘がみられた. とくに下腹部と内股部に頻発していた. 病巣は約8~15日の経過で, 発赤, 丘疹, 痂皮形成の過程をとった<BR>3. 血液像は, 発病中期に白血球の増数と好中球の増多が認められた.<BR>4. 病理組織学的には, 皮膚病変部の有棘細胞は腫大, 繁殖, 風船様となり, 核の空胞化と好酸性の細胞質内封入体が認められた.<BR>5. ウイルスの分離は, 豚腎および豚睾丸細胞を用いて盲継代を行なったところ, 4~5代頃よりCPEが現われ始め, 感染細胞の細胞質内には好酸性の封入体が現われ, 核の空胞化が認められた.<BR>6. 飼養豚に多数寄生していた豚風 (Haematopinus suis) を駆除したところ, 新たな発病豚は激減した.<BR>7.落痂期の皮膚病変部について細菌検索を行なったが, 特定の病原細菌は認められなかった.

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