頸管結紮を施した犬子宮への大腸菌接種による実験的子宮蓄膿症の子宮の重量ならびに形状

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タイトル別名
  • Weight and Shape of the Canine Uterus with Pyometra Experimentally Reproduced by <I>Escherichia coli</I> Inoculated into the Uterus with Its Cervix Ligated
  • 頚管結紮を施した犬子宮への大腸菌接種による実験的子宮蓄膿症の子宮の重量ならびに形状
  • ケイカン ケッサツ オ ホドコシタ イヌ シキュウ ヘ ノ ダイチョウキン セ
  • Weight and Shape of the Canine Uterus with Pyometra Experimentally Reproduced by Escherichia coli Inoculated into the Uterus with Its Cervix Ligated

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抄録

子宮頸管を結紮した子宮内に大腸菌を接種することによって作出された, 実験的犬子宮蓄膿症33例の子宮の大きさ, 外形ならびに内膜の形状について観察したところ, おおむね次のような成績が得られた.<BR>1) 実験的子宮蓄膿症では, 自然症例に比べ, 子宮の小さいものが多かったが, その中でも, 子宮の肥大するものや重量の比較的大きなものは発情前期から発情休止期にかけてのものであった.<BR>2) 子宮外形についての各性周期の特徴は明瞭ではなかったが, 自然症例で比較的よく観察された分節形は, 本実験では発情前期から発情休止期にかけて多発し, 西洋なし形は分娩後修復期に出現した.<BR>3) 子宮蓄膿症の子宮外形推移の一様式として, 小分節形から大分節形を経てソーセージ形にいたり, さらに西洋なし形に移行する可能性が示された.<BR>4) 子宮内膜の性状のうち, 自然症例で多発する嚢胞状肥厚を示すものは本実験では1例にすぎなかったが, これは発情休止期に属していた.<BR>以上から本実験の子宮外形, 大きさおよび形状は, 自然症例に比較して軽度なものや傾向の若干異なるものが多かったが, これは自然症例の多くのものが黄体期に発症しているのに対し, 実験群は性周期の各時期に所属するものの統合成績であることや, 自然症例では経過期間が実験例より長期におよぶことなどに起因していると思われた.

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