哺育牛の血小板減少性紫斑病の1例

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タイトル別名
  • Thrombocytopenic Purpura in a Suckling Calf
  • ホイクギュウ ノ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ ノ 1レイ

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抄録

2週齢の哺育牛の背部を中心に体表各所に紫斑形成・出血が多発したため, 鑑定殺された.皮膚には針尖大の出血を中心に紫斑が形成され, 内部諸臓器にも, 漿膜面を中心に出血斑が汎発していた.血液検査では, 血餅の退縮不全と, 塗抹像での血小板数の減少が顕著にみられた.病理組織学的には, 出血は皮下織, 消化管粘膜下織から漿膜面におよび, 骨髄では巨核球の軽度の増数を認めたが, 遊離の血小板はほとんど認められなかった.<BR>発症牛の血漿を健康牛からの血球浮遊液と混合した場合, あるいは発症牛の血清をウサギに静脈内注射した場合には, いずれにおいても遊離血小板数の減少が見られた.とくに, 前者では血小板の凝集が認められ, 血漿中に血小板凝集因子の存在が示唆された.<BR>以上の所見から, 本症例は血小板減少性紫斑病と診断された.

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