下痢, 乳量減少および食欲不振が認められた搾乳牛の牛B群ロタウイルス感染

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タイトル別名
  • Outbreak of Symptomatic Diarrhea, Milk Drop and Inappetence in Lactating Cows Infected with Bovine Group B Rotavirus
  • ゲリ ニュウリョウ ゲンショウ オヨビ ショクヨク フシン ガ ミトメラレタ サクニュウギュウ ノ ウシ Bグン ロタウイルス カンセン

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抄録

福井県内の一酪農場において, 搾乳牛に下痢, 乳量の減少および著しい食欲不振が認められた.発症牛より採取した糞便材料中に電子顕微鏡観察でロタウイルス粒子が確認された.糞便から抽出したRNAのポリアクリルアミドゲル電気泳動ではB群ロタウイルス (GBR) 特有の泳動像が認められ, RT-PCR法で牛GBR陽性を示した.糞便材料の細菌学的検査ならびに寄生虫学的検査では下痢関連病原微生物は検出されなかった.ELISAによる牛GBRの抗体検査では当該農場搾乳牛の大半が疾病の流行後に抗体の陽転を示した.次に, 福井県内の牛GBRの浸潤状況を明らかにするため, 26戸130検体の血清を用いてELISAによる牛GBR抗体検査を実施したところ, 21戸 (81%), 65検体 (50%) が抗体陽性を示した.以上のことから, 搾乳牛に認められた下痢, 乳量減少および食欲不振は牛GBRの関与が疑われ, さらに牛GBRは福井県内に広く浸潤していると考えられた.

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参考文献 (14)*注記

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