牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルスの胎内感染に起因する先天性異常を有する新生子牛2例の疫学および病理学的観察

書誌事項

タイトル別名
  • Epizootiology and Pathology of Congenital Malformations in Two Newborn Calves Caused by Intrauterine Infection with Bovine Viral Diarrhea-Mucosal Disease Virus
  • ウシ ウイルスセイ ゲリ ネンマクビョウ ウイルス ノ タイナイ カンセン ニ

この論文をさがす

説明

先天性異常を有する2農場2例の新生子牛を疫学, 病理学および血清学的に検査した. 両例は運動失調および盲目を示し, 剖検により小脳形成不全および視神経の容積の減少を認め, 1例は顕著な水頭症を伴っていた. 組織学的に, 小脳では顆粒細胞およびプルキンエ細胞の減数, 顆粒細胞の不規則な小島状集合, プルキンエ細胞の逸所性分布ならびに白質における空隙形成などがみられた. 網膜外顆粒層の秤状体および錐状体細胞ならびに視神経の神経線維の減数がそれぞれ認められた.初乳摂取後の両例の血清中に牛ウイルス性下痢・粘膜病 (BVD・MD) ウイルスに対する中和抗体が認められた. 疫学調査により, 1例の母牛は妊娠3-8ヵ月の間, 公共牧場に放牧されており, この期間に本ウイルスに感染したものと推察された. 他の1例の母牛は妊娠5ヵ月時に一過性の下痢を示し, その感染が疑われた. 得られた所見から, これらの2症例は胎内感染によるBVD・MDと診断された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ